●手古舞(てこまい)
「手古舞」とは江戸時代の祭礼の余興に出た舞のことです。もとは氏子の娘がこれに扮しましたが、後には芸妓が男髷(おとこまげ)を結い、右肌ぬぎでたっつけ袴に手甲・脚絆、足袋にわらじをつけた姿で祭礼に出るようになりました。背には花笠を掛け、鉄棒(かなぼう)を左手に、右には牡丹の花を描いた扇を持って、江戸では、あおぎながら「きやり」をうたって歩いたそうです。むかしは鳶職も「手古舞」(梃子前)として山車(だし)の先頭に立って「きやり」をうたいました。
川越祭りでは、各町内の山車行列の先頭を歩くため、手古舞姿は祭りの華と称されています。むかしは大店の令嬢や子供(男の子も)が扮し、出入りの職人が付き添って面倒をみたそうです。 |